国立西洋美術館 『アルチンボルド展』 |
Ⅰ アルチンボルドとミラノ
アルチンボルドはイタリア・ミラノ出身。父親も画家で、レオナルド・ダ・ヴィンチの追随者ベルナルディーノ・ルイーニの友人だったそうです。会場にはダ・ヴィンチの素描もいくつか展示されていました。アルチンボルドもレオナルドの影響を直接間接に受けているようです。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『紙の自画像(紙の男)』(1587年)
ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ロッソ宮、素描版画室
Ⅱ ハプスブルク宮廷
アルチンボルドは、ハプスブルク家のマクシミリアン二世に雇われ、ミラノからウィーンに拠点を移します。四季が描かれた頃、新大陸やインドからもたらされた珍しい動植物の研究が盛んで、皇帝は動物園や植物園を所有しており、アルチンボルドはその中で作品を描いたそうです。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『春』(1563年)
マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館
80種類の花が描き込まれているそうです。
花の耳に花の耳飾り。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『夏』(1572年) デンヴァー美術館
春と夏は女性、秋と冬は男性を表しているそうです。耳の部分に、当時新大陸からもたらされたばかりのトウモロコシが描かれています。
藁の首元と袖にアルチンボルドの名前と製作年(1572年)。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『秋』(1572年) デンヴァー美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド 『冬』(1563年)
ウィーン美術史美術館 絵画館
冬は一年の始まりの季節で、皇帝を表しているそうです。
ジュゼッペ・アルチンボルド(?) 『大気』 スイス、個人蔵
四代元素は、四季と向い合うように描かれ、大気は春とペアになります。
ジュゼッペ・アルチンボルド(?) 『火』 スイス、個人蔵
火は夏とペア。皇帝の軍事力も表しているそうです。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『大地』(1566年(?))
リヒテンシュタイン侯爵家コレクション
大地は秋とペア。ライオンや羊は皇帝の栄光を表しているのだそうです。
ジュゼッペ・アルチンボルド 『水』(1566年)
ウィーン美術史美術館 絵画館
水は冬とペア。魚以外にアシカなどの水生生物が描かれています。
Ⅲ 自然描写
Ⅳ自然の奇跡
Ⅴ寄せ絵
Ⅵ 職業絵とカリカチュアの誕生
ジュゼッペ・アルチンボルド 『ソムリエ(ウェイター)』(1574年)
大阪新美術館建設準備室
Ⅶ 上下絵から静物画へ
ジュゼッペ・アルチンボルド 『庭師/野菜』 クレモナ市立美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド 『コック/肉』 ストックホルム国立美術館
※画像は展覧会HPからお借りしました。
アルチンボルドはだまし絵の画家のイメージだったのですが、自然観察に基づいた作品作りをしていたのが意外でした。作品が生み出された時代背景などがよく分り、楽しく見て回ることができました。
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